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国際移住機関(IOM)と共同で ソマリアにおいて乾燥地農業技術を実証へ

2016.11.16

(PDF版は こちら )

 

株式会社鳥取再資源化研究所(本社:鳥取県 代表取締役:竹内 義章、以下「当社」)は2016年11 月下旬より、国際移住機関(International Organization for Migration、本部:スイス・ジュネーブ、以下「IOM」)と共同で、ソマリア連邦共和国(以下、「ソマリア」)において当社発泡ガラス製品「ポーラスα®」を活用した乾燥地農業技術の実証プロジェクトを実施します。

IOM と当社とは、2016 年8 月に実施された第6 回アフリカ開発会議(TICAD VI)にて協議を開始しました。ソマリアが抱える慢性的な食糧危機に対して当社の技術が効果的に貢献できる可能性があるとの双方の共通認識に基づき、今回の実証プロジェクトの実施に至ったものです。

IOM はソマリアにおいて、国内避難民の生計改善のための事業を展開しています。厳しい乾燥と限られた水資源という環境のもと、国内避難民の食糧安全保障は常に課題となります。気候変動の影響によりさらなる少雨化の可能性もある中、必ずしも農業経験を有さない国内避難民が、厳しい環境でありながら気候変動に適合した食糧生産を可能とする技術が求められています。

当社の発泡ガラス「ポーラスα®」は土壌に混合することで保水性を高め、乾燥地での農業を可能にします。直近では、モロッコにおいて独立行政法人国際協力機構(JICA)の普及・実証事業を通じて、灌水量を50%削減すると同時に20%以上の収量向上を実現しています。この技術は、(1)導入作業が鍬、耕運機、トラクターのいずれでも可能、(2)導入後メンテナンスは不要、(3)長期間効果が持続、(4)灌漑・栽培方法の変更は不要、といった特徴により、生産者の技術水準によらず利用が可能です。

今回のソマリアにおけるIOM との実証プロジェクトでは、2016 年11 月下旬に、当社がケニア共和国ナイロビに専門家を派遣し、IOM の現地スタッフ及びソマリア農業省関係者に対して技術移転研修を実施します。その後、研修受講者がソマリアにて試験栽培を行い、現地で通常行われる栽培方法と比較し、「ポーラスα®」を活用した節水型農業の効果を検証します。

今後、世界的な人口増加により食料需要の拡大が見込まれる一方、拡大可能な農地は限定的であり、気候変動による少雨化・干ばつの頻発化により農業に利用できる水資源の減少も想定されます。当社は11 月7 日~18 日にモロッコ・マラケシュで開催されている第22 回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)に参加して、展示とともに各国政府と利用可能性を協議しています。
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モロッコでのポーラスα導入の様子

 

今後も当社は、「ポーラスα®」による節水型農業技術の普及を通じて、気候変動に適合した、持続可能な農業技術の普及と食料安全保障の確保に貢献してまいります。

 

◆本件に関するお問い合わせ
TEL : 0858-49-6230 (担当:狩野)
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