モロッコにおける当社製品「ポーラスα」を利用した試験栽培で、 インゲン生産について灌水量50%カットしながら収量22%増を達成
2016.03.14
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(株)鳥取再資源化研究所(本社:鳥取県、代表取締役:竹内 義章、以下「当社」)が、国際協力機構(JICA)の普及・実証事業である「モロッコ国乾燥地節水型農業技術普及・実証事業(以下、本プロジェクト)」におけるインゲンの試験栽培で、当社製多孔質発泡ガラス「ポーラスα」を活用した結果、灌水量を50%カットしながら、収穫量の22%拡大を達成しました。
モロッコは、水資源の有効活用が極めて重要な状況にあります。同国は欧州を主な輸出先とした農業国で、例えばトマト輸出は2014年の輸出量が42万トンで世界第6位(出所:UN COMTRADE)となっています。一方でトマトの一大産地であり本プロジェクトを実施しているスス・マッサ地域は降雨量が少なく、恒常的に地下水位が低下しており、持続的な農業の実現には節水が大きな課題となっています。
本プロジェクトでは、当社製多孔質発泡ガラス「ポーラスα」を土壌改良材として活用することで、水使用量の削減を目指しています。同製品はリサイクルガラスを主原料とした多孔質ガラス発泡体で、多数の小さな空間(空隙)を有しています。土壌と混合することで、土壌の保水性と通気性が向上します。それにより節水と収穫量の拡大を同時に実現するとともに、気候変動で降水量が減少した場合でも農業を継続できるようになります。これまで、共同研究を行っている鳥取大学を始め、ケニア、モーリタニア、セネガルにおいて、効果が確認されています。
昨年9月より実施していたトマトとインゲンの試験栽培において、今般、インゲンの灌水量50%カットをしながら、収穫量22%増が確認されました。この結果は、現地協力機関であるモロッコ農業・海洋漁業省、及びスス・マッサ地域農業開発公団と共同で評価をしたものです。またトマトについては、収穫途中ながら、インゲンと同等以上の効果が確認されています。(写真はインゲン栽培の模様。左がポーラスα導入区、右がポーラスα未導入区)
今回の結果を受け、農業・海洋漁業省及びスス・マッサ地域農業開発公団との間で、現地生産者の圃場への導入を行うことが合意されました。今後は合意に基づき、生産者の選定やポーラスα導入の研修、生産者圃場での試験栽培、さらに現地生産・販売に向けた取り組みを行います。
今年はモロッコ・マラケシュでCOP22が開催されるなど、モロッコでは環境・気候変動問題は大きな関心を集めています。当社は引き続き、本プロジェクトの遂行と当地事業での立ち上げを通じ、同国の農業・環境問題への貢献を進めてまいります。
本件に関するお問い合わせ:株式会社鳥取再資源化研究所 上井
TEL 0858-49-6230 FAX 0858-49-6288 e-mail: kamii@t-rrl.jp
(株)鳥取再資源化研究所について:リサイクルガラスを活用した多孔質ガラス発泡材「ポーラスα」の製造とその活用を通じた土壌改良、悪臭の微生物分解、水質浄化、リン・フッ素吸着回収ソリューションを提供しています。https://www.t-rrl.jp/